"クと喉を鳴らしながら一気飲みして行く。

あぁ・・・・。俺も風呂上がりのビールを飲みてぇ・・・・・

レンタカーなんて借りなければ飲めたのに・・・・・

今朝の俺、なんて余計な事をしてくれたんだよ!

先ほ 日本買樓攻略 は称賛した心の中の俺も、今ではレンタカーに手をつけた自分を罵っていた。

不審げながらも、言われた通りに""そこ""に車を停めさせてもらうと、車から降りた荒木戸が

「おばちゃ~ん!車、停めさせて-----!」

と、家の中に向かって叫ぶと、中からは

「ど~お~ぞ~」

と、外を窺うこともなしに同じような叫び声で返事が戻って来た。

おいおい!庭に他人が勝手に車を停めても怒らないのかよ!

俺が代りに怒っちまうよ・・・・・

許しを得た荒木戸に連れられて、道反対の墓地に向かうが、墓地の入り口辺りではオバちゃん達が屯している塊をあちこちで見かける。

その横を通り過ぎるたびに

「風が止んで良かったねぇ」とか言いながら通り過ぎる彼女は、みんなと知り合いなのかと思ってたけど

「知らない人ですよ。でも、もしかしたら小さい頃に会ってたかもしれませんけど」

平然と知らない人に親し気に話しかけていたようだ。

普段は会社の中でのこいつしか知らない俺は、軽くショックを受けている。

知らない面を知れた嬉しさはあるが、どっちが荒木戸真澄なのかの戸惑いも生まれる。

いや。

どっちも荒木戸真澄なんだろうな・・・・・・

ここでは表情を繕わないのか、それとも繕いたくないのか素の荒木戸真澄の姿だった。

時間通りに墓まで来てくれた寺の住職と、俺と荒木戸の3人しかいない納骨も無事に済ませ、午後の船の時間まではまだ余裕がありそうだ。

「島一周する時間は残ってませんけど、どこかに行きますか?」

急に言われて思いつくものでもないと思っていたが、たしか、伊豆大島って・・・・・"